歯周病治療 perio
歯周病の恐怖
歯周病は、日本人が歯を失う原因の中で最も多い病気として知られています。しかし、その怖さは「歯が抜ける」という結果だけではありません。歯周病は、口の中の問題にとどまらず、全身の健康にも深く関わる病気であり、放置することで身体のさまざまな機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
歯周病は、歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、進行すると歯を支える骨を溶かしていく病気です。問題なのは、この歯周病菌が歯ぐきの血管から体内に入り込み、全身の血流に乗って広がることです。これにより、心臓病や動脈硬化、脳卒中といった重篤な循環器疾患のリスクが高まるとされています。また、誤嚥性肺炎の原因となることも多く、高齢者にとっては命に関わる重大なリスクとなります。
さらに、歯周病と糖尿病の関係は非常に密接です。歯周病による慢性的な炎症が血糖コントロールを妨げ、糖尿病を悪化させることが分かっています。一方で、糖尿病の患者は免疫力が低下しやすく、歯周病が進行しやすいという悪循環が生まれます。つまり、どちらか一方の治療だけでは改善が難しく、双方に対してアプローチすることが必要になります。
このように、歯周病は単なる口の病気ではなく、全身の健康とも深く関わる重大な疾患です。だからこそ、日々の歯みがきはもちろん、定期的な歯科検診やプロフェッショナルケアを受けることが非常に重要です。早期発見・早期治療ができれば、全身への悪影響を防ぎ、生活の質を高く保つことにつながります。 歯周病の予防と管理は、健康な人生を送るうえで欠かせない取り組みだといえるでしょう。
キーデンタルクリニックの歯周病治療
歯周ポケット掻爬術(そうはじゅつ)
歯周ポケット掻爬術は、歯周病の初期段階で行われる外科的な治療法です。歯ぐきに麻酔を行い、歯周ポケット内部に入り込んだ歯垢や歯石、感染した組織を丁寧に取り除いていきます。ポケット内部は肉眼で直接確認できないため、専門的な技術が求められます。この処置によって炎症を抑え、歯周病の進行を防ぐことが期待できます。
フラップ手術
フラップ手術は、歯周病がかなり進行した際に行われる外科的治療です。まず局所麻酔を施し、歯ぐきを切開して歯槽骨から丁寧にめくり上げ、歯根を直接確認できる状態にします。露出した歯根に付着した歯垢や歯石、さらに感染した歯肉組織を徹底的に除去し、歯周組織の健康回復を図ります。目視しながら処置できるため、深い歯周ポケットの改善や炎症のコントロールに大変有効な治療法です。
歯周内科治療
薬を用いた治療法です。顕微鏡で口腔内の微生物を確認し、それに合った薬を処方します。従来、歯周病を薬で治すのは難しいとされてきましたが、微生物を特定することで、手術を行わない治療が可能になったのです。
GTR
歯周病に冒されてしまった顎の骨を再生させる治療。骨を再生させたい部分の歯肉内に「メンブレン」という人工の膜を入れることで再生するスペースを確保し、骨の再生を促します。治療後にはメンブレンを取り除く手術が必要になります。
エムドゲイン
GTRと同じく、歯周病に冒されてしまった骨の部分を再生させる治療。骨を再生させたい部分に「エムドゲインゲル」という薬剤を注入し、再生するスペースを確保します。エムドゲインゲルは体内に吸収されるため、メンブレンのような治療後の除去手術は不要です。